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06年度の新規実践校である相模原市立緑が丘中学校で11月中旬、公開研究会が開かれ、各クラスで研究授業が行われました。その中に、新聞記事を使って漢語・和語・外来語を学ぶ授業があり、教諭の指導ぶりと、生徒たちの学習の様子を見学しました。
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指 導 案 (略案)
1 単元名 「漢語・和語・外来語」
2 日 時 平成18年11月17日(金) 第5校時
3 学年・組 第1学年2組
4 指導者 森下 千里 教諭
5 題材の構成
・語の成り立ちや特徴の理解 (1)
・使い分けの考察 (1)本時(1/1)
・活用法の理解 (1)
6 本時の学習と教師の願い
本時の学習のねらいは、実際の言語生活の場面において、話や文章の中で、漢語・和語・外来語がどのように使用されているのかを理解することである。言葉の使い方、言葉の選択について、相手が場面に応じて漢語・和語・外来語を上手く使い分けていく心遣いが必要であることに気付かせ、豊かな言葉の使い手になる意識を高めたい。
また、言葉の使い分けを調べる際、新聞や広告等、身近な題材を使うことで、学びの手だてとする。
7 本時のプラン
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学 習 活 動
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学 び の 視 点
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(一斉)
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・前時の確認をする。
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・漢語・和語・外来語の成り立ちや
特徴について理解する。 |
出会う
(個) |
・記事の中から、「漢語・和語・外来語」が
どの程度使われているのか調べ、
ワークシートに結果をまとめる。
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・自分の力で漢語・和語・外来語の
区別をつける。
・記事には、どのような語が多いのか、
予測を立ててから調べる。 |
広げる
(グループ) |
・どのジャンルの記事に、どの語がよく
用いられているのか、その傾向
について話し合う。
・相談し合った結果を全体に発表する。
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・相談し合って、お互いの記事に使用
されている言葉の傾向について
考える。 |
なるほど
(一斉) |
・漢語・和語・外来語についての多様な
例文を用いて、それぞれの特性を
生かした活用法及び表現方法がある
ことを確認する。
・次時の予告 |
・漢語・和語・外来語の特徴を生かした
適切な活用の仕方について
理解する。 |
8 本時の評価
・興味を特って新聞記事に使われていた語を調べることができたか。
・調べた内容について、積極的に話し合い活動に参加することができたか。
【見学リポート】
■使用頻度が高い語の予想
教諭は授業の冒頭、前時の確認として、漢語・和語・外来語の違いについて説明。黒板に漢字で例として「山」と書き、「やま」と日本語読み(訓)し、実物が想像できる言葉
が和語、「サン」と中国語読み(音)する言葉が漢語、カタカナで表記されたものが外来語であるとした。
続いて3種類の新聞記事を集めたコピーを生徒に配布した。この授業で教材として使われていたのは、(1)神奈川新聞の「教育基本法改正」の解説
>>>教材(1)を見る (2)朝日新聞のコラム「いじめ『て』いる君へ」>>>教材(2)を見る (3)読売新聞のスキニージーンズ紹介記事>>>教材(3)を見る−であった。
生徒らは教材に軽く目を通し、各記事で使用されている語の割合の高さについて、(1)は漢語が、(2)は和語が、(3)は外来語の割合が高いと予想した。
■班ごとに語の抽出
続いて生徒らは3〜4人のグループ(計9班)に分かれ、教諭の指示で3つのうち1つの教材について、記事中のカギカッコで範囲を決められた文章の中から漢語・和語・外来語を分担して抜き出し、ワークシート(画用紙)にマーカーで書き留めていった。決められた範囲に担当した語が存在しない場合は、「0」(ゼロ)と書くように申し合わせた。語の抽出に充てた時間は約20分。
■ワークシートの張り出し
各グループは語の抽出作業を終了した後、記事ごとにワークシートを黒板上へ掲出した。記事(1)と(2)には外来語が一つもなかった。また、作業前の予想を振り返り、(1)は漢語が、(2)は和語の割合が高いという予想は当たったが、(3)は予想に反して外来語ではなく、和語の割合が高いことを確認した。
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(3)の記事
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(2)の記事
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※各班のワークシートを縦1列に配置。
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上段から漢語・和語・外来語の順 |
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■使い分けの理由を考える
続いて教諭は、本時の目標として「漢語・和語・外来語が、なぜ使い分けられているのか、考えよう!」と書かれた紙を黒板に張り出し、ヒントとして(1)誰が読める記事? (2)それぞれの利点は? (3)それぞれの記事は何について書かれているか?−の3つを提示した。
板書を見る
各班で、語の使い分けの理由を話し合いながら考え、それを紙に書き始めたところで本時の授業は終了時刻となり、発表とまとめは翌日以降の授業で行われることになった。
■次時の様子
教諭によると次時では、「もしも外来語が使えなかったら?」(<<クリックで表示)「もしも漢語が使えなかったら?」(<<クリックで表示)などのワークシートを使い、それぞれの後のもつ特徴について意見を出し合った。その中で、(1)漢語は少ないスペースで、伝えたい内容をコンパクトにまとめることができる (2)和語は、読み手にとって分かりやすい (3)外来語は、日本語に直すとイメージしにくい −などが挙げられた。
上記をふまえ、「なぜ使い分けられているのか?」について話し合い、記事内容や伝えたい相手によって使い分けられている、という結論に達した。また教諭は「医療関係の専門用語を、医療に携わらない人が聞いたり読んだりしたときに、コミュニケーションとして成立するか」と問いかけたところ、「会話が一方通行になってしまう」という意見が挙げられた。外来語に加え、難しい漢語や専門用語なども、相手や場面に応じて使い分けることが、コミュニケーションを図る上でとても大切なことなのだという結論を出した。
■成果と課題
今回の授業の成果として、森下教諭は「活字を必死で読むという機会ができたこと」を挙げた。授業の前に「新聞で自分がよく読む項目」についてアンケートを取ったところ、自分の興味・関心がある部分だけしか読まない生徒が多いことが分かり、「ぜひこの機会に、新聞の中身について少しでも興味・関心の幅が広がれば、という思いもあり、授業で使う記事についてもタイムリーな内容を選んだ」という。
一方、漢語・和語・外来語がなぜ使い分けられているのかということについて考える際、「すぐにグループで考えさせるのではなく、まずは個で考えさせ、その後、個人の考えを持ち寄った形でグループでの結論が出されると良かった」とし、さらに「ヒントを与えることで考えの幅をかえって狭くしてしまった」と反省点を挙げ、「ヒントは生徒の質問に応じるにとどめ、あくまで授業で出された材料の中で生徒自身が出す結論を大事にする授業を心がけていきたい」と、今後の課題を語っていた。
【授業見学の感想】
授業では、漢語・和語・外来語の登場頻度に差がある3つの新聞記事が教材に使われたが、それぞれに特徴のある記事の選択と、その中から授業で使う文章を括(くく)る教諭の準備作業は、相当苦心されたのだろうと想像できる。タイプの違う新聞記事を使うことで、3種類の語の違いや使い分けの理由について、生徒らに対して“説得力”の高い授業になったのではないか。見学は2時限あるうちの前半だけだったが、生徒らが熱心に記事を読み、意欲的に語の抜き書きに取り組んでいる姿が印象的だった。
3つの記事の中にある3種類の語を分担して抜き書きする作業では、生徒の学習体験は9つに類型できる。その中で、頻出する漢語や和語を担当した生徒と、文中に全く登場しない外来語を担当した生徒との間には、作業の量や時間、質に差が生じる懸念もあると感じた。班学習では、実物大の記事コピーを生徒が個別に読むのではなく、A3判程度に拡大した1枚の記事コピーを全員で読み、話し合いながら語の分類をしていく共同作業を実施して、各語の「書記」についてのみ分担する、というスタイルを意識的に行うことによって、より効果的な学習ができるのではないか、と感じた。
緑が丘中は今年が1年目の実践校。今回の授業で得た成果と課題を生かして、ぜひ来年も新聞記事を使って漢語・和語・外来語を学ぶ授業を展開して欲しいと思う。
(推進協事務局 菱倉昌二)
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タイムリーな“壁新聞”
緑が丘中学校では、タイムリーな話題を掲載している新聞記事を、学年別に廊下に張り出したり、教諭が朝の学活で生徒に紹介したりするなど、授業以外にも新聞を積極的に活用しています。
生徒に読ませたい記事を探すことで、教諭も以前より熱心に新聞を読むようになる相乗効果があったそうです。
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