実践校授業見学
新聞の天気らんを調べて比べて考えよう!

横浜市立平沼小学校      


 
 県推進協は今年度、継続校を中心とした実践校の授業見学を新規事業として盛り込みました。新聞を使った授業の様子を、教材に使われた紙面や授業風景の写真を交えて随時紹介します。

指 導 案 (略案)

1 単元名  新聞の天気らんを調べて、比べて、考えよう!

2 日 時   平成18年11月10日(金) 第2校時

3 学年・組  第4学年1組 34名

4 指導者   丹羽 正昇 教諭

5 単元目標 (◎NIE全体の単元目標、○本単元の目標)
 ◎新聞のつくりに興味をもちながら学習を進め、各新聞社の新聞紙面の工夫を考える。
 ○新聞社の天気欄を自分の視点で調べ、複数の新聞社の天気欄を比べることで、
   天気欄の工夫を考える。

6 本時目標
 ・同じ新聞社の新聞グループで、天気欄の特徴を調べたことを基に、天気欄を比べて
  気付いたことや考えたことを新聞社の工夫という視点で話し合う。

7 本時展開

学 習 内 容
評価規準  ○指導の手立て

1 学習内容を確認する。
 A社とB社の天気欄を比べて気付いたことを グループで
 話し合い、工夫されているところを発表する。

◆新聞の天気欄の特微から各新聞
  社の工夫を色や形、大きさ、記号、
  天気概況図などを基に考えている。

2 二つの新聞社の天気欄を比べて気付いたことを
  グループで話し合う。

 ・A社のは天気図があるけど、B社にはないね。
 ・B社のは三日分の予報があるけど、A社のは二日分だよ。
 ・A社のは日本全国の天気が分かるけど、
  B社のは神奈川県内だけだ。

○自分の意見を大切にしてグループで
  話し合うようにする。

3 グループで話し合ったことを基にして、
  新聞社の工夫を発表する。
 ・神奈川県に住んでいる人向けに作られているんだよ。
 ・日本中の人が読む新聞だからいろいろなところの天気が
  載っていると思います。
 ・天気図を読めない人には、絵の方が工夫されている
  ように思えます。

○天気欄に使われている色や記号の
  種類、大きさなどを基に工夫を発表
  できるようにする

【見学リポート】
「違い」を見つける
 この授業では、教材として新聞5紙(朝日、読売、日経、東京、神奈川)が使われていた。児童は3〜4人の班に分かれ、全国紙と全国紙、全国紙と地方紙といった組み合わせで、各紙に掲載されている天気予報欄を題字と一緒に台紙に張り付け、違いを見比べていた。
 全国紙同士を比較した班は、掲載されている主要都市の数に差があることや、ある社の予報は4日分であるのに対し、別の社は3日分であること、最高・最低気温が色分けされている社と、そうでない社があること、曜日のある社とない社などの違いを見つけて書き出していった。一方で、各地の天気が3時間ごとに掲載されていることは各社共通であることを突き止めた。

 全国紙と地方紙を比較した班では、地方紙は天気図の代わりに県の地図が掲載され、県内5カ所の天気が表示されていること、各地の天気予報が1週間分掲載されていることが全国紙との違いとして抜き出された。
 また全国紙の「雨マーク」が5ミリ以上と5ミリ未満の2種類あるのに対して、地方紙は降水量にかかわりなく、マークは1種類であることも分かった。

「工夫」を考える
 教諭は各紙の違いや共通点について、各班の児童に発表させ、その内容を新聞ごとに板書していき、明確化させた。続いて児童らは、各紙の特徴を改めて書き出し、それぞれが工夫していると思われる点について想像を含めて考え、ワークシートに記入していった。

ワークシートの例を見る

 教諭は班ごとに各紙の工夫について発表させ、板書していった。児童らが発表した各紙の工夫点の例は次の通り。

 ○最高気温を暖色で、最低気温を寒色で色分けして分かりやすくしてある(朝日)
 ○予報に日付だけでなく曜日も入れ、色も明るく読みやすくしている(同)
 ○予報を3時間ごとに区切り、人の暮らしのリズムに合わせている(読売ほか)
 ○満・干潮の時刻が書いてある「あすのこよみ」は、海の仕事をする人に役立つ(日経)
 ○予報だけでなくコメントを付けて、読む人を意識している(東京ほか)
 ○予報を1週間分載せていて、外出の計画が立てやすくしてある(神奈川)
 ○天気図ではなく神奈川の地図を載せて、子どもにも分かるようにしている(同)

板書を見る

「質問」を考える
 最後に、天気予報欄を読んで新聞社に聞いてみたい質問項目を考えた。

 ○予報を載せている都市に数や場所の違いがあるが、 どういう基準で選んだのか(各紙)
 ○なぜ最高・最低気温を色分けしたのか(朝日)
 ○雨マークを降水量5ミリ以上と未満に分けたのはどうしてか(全国各紙)
 ○日本の天気図ではなく、神奈川の地図を載せているのはなぜか、
  
神奈川県の人が多く読む新聞なのか(神奈川)

 これらを新聞各社に実際に質問し、自分たちが想像した「工夫」について確かめてみることにした。また各紙が採用している都市について児童に発言させて教諭が板書し、都道府県庁所在地の47都市のうち、20の都市が複数の新聞に採用されていることを確認して授業を終了した。

【授業見学の感想】
 平沼小は今年度で実践2年目の継続校。前年度は6年生児童を対象に、世界自然遺産に登録された知床半島の報道写真を素材に、ユニークな授業を展開した=05年度実践報告参照。
 今年度は4年生が対象となり、「記事に書かれている内容そのものを教材として扱うのは難しい学年」と丹羽教諭は話す。
 そこで、ビジュアルな天気予報欄を教材として各紙を読み比べ、その工夫を探るという授業を展開した。
 児童らの関心度も高く、熱心に授業に取り組んでいた。想像も交えて考えた各紙の「工夫」についても、教室だけで完結するのではなく、新聞各社に実際に質問をぶつけてみることにより、受け身ではない「双方向的」な、生き生きとした授業になったのではないかと感じた。
 さて、各社からはどのような回答が得られたのか、06年度の実践報告が楽しみだ。

(推進協事務局 菱倉昌二)


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