教育に新聞を活用する取り組み「NIE」(教育に新聞を)を進める県NIE推進協議会(会長・高木まさき横浜国大教授)の2011年度総会が6月11日、横浜市中区の神奈川新聞社で開かれた。地域での学習会などに新聞を活用してもらう新規事業「地域NIE」の推進を盛り込んだ事業計画が承認された。
総会にはNIEを実践する教師や、報道関係者ら約20人が参加。地域住民の集まりで新聞の切り抜きなどに取り組んでもらう地域NIE実施に向け、準備を進めることを決めた。
承認された2011年度の事業計画は、①定期的に開催される学習会「神奈川NIEミーティング」の継続開催②NIE実践校との連携強化③新規NIE実践校へのガイダンス実施④NIE全国大会への積極参加―など9項目。11年度の予算や10年度の決算報告を承認し、新役員・構成員を選出した。
議事終了後、日本新聞協会NIEコーディネーターの赤池幹さんが「東日本大震災とメディア」をテーマに講演。新聞紙面を使って報道内容を検証した。震災報道について学ぶことができる冊子を作成していることを紹介し、「家族や友達との絆が貴重なものだと、冊子を通じて多くの人に感じてもらいたい」と話していた。震災時の各社の対応などが加盟新聞社の支局長・総局長らから報告された。
(神奈川県NIE推進協議会の総会)
【2011年度事業計画】
①神奈川NIEミーティングを継続開催
今年度は4月15日に第11回「神奈川NIEミーティング」を開催。6月以降も偶数月に定期的に開催する(ただし8月分は9月に開催)。県内NIE活動の一層の推進を図るため、財団認定のNIEアドバイザー(5人)と県推進協の特別NIEアドバイザー(3人)を中心に実践校教諭らと連携し、これまでの実践・知識を生かしてNIEの広がりに務める。
②実践校枠(20校)の確保と連携強化
本年度の新規実践校枠は13校。継続校・新規校あわせて20校が内定している。実践校は7月に開かれる日本新聞協会の博物館・NIE委員会で正式決定する。連携強化策は計画案③④に詳述。
③新規実践校へのガイダンス開催
昨年同様に新規実践校ガイダンスを実施する。NIEアドバイザーの先生方の助言をいただきながら、新規校の担当教諭を対象(継続校の参加も歓迎)に実施したい。実践校の顔合わせに始まり、過去の授業事例等を紹介し、新規校の不安解消とモチベーションアップを目的に、実践校のネットワーク化を図りたい。実施時期については7~8月の予定。
④実践校活動の積極発信
実践校(特に継続校)のユニークな授業を、報道機関による記事化や推進協ホームページに掲載するなどして積極的に発信、広報活動を強化する。
⑤第16回NIE全国大会への積極参加
今年は7月25、26日に青森県青森市で開催される。遠方だが実践者の積極参加を呼び掛けていく。参加費用の一部を推進協で負担する。
⑥公開セミナーで連携強化
NIE活動をより深め、広がりを持たせるため、NIE月間である11月に公開セミナーを開く。昨年度と同様に加盟各紙で公募し一般からの参加も受け付ける。
⑦記者派遣・新聞社見学の受け入れ
加盟報道機関で活躍する記者の話を聞き、あるいは実際の新聞制作の現場に触れることで、新聞に対する意識が身近なものになる。学校側の要請に新聞社側も積極的に協力し、記者派遣を行いたい。なお、2011年度の記者派遣の当番社は東京、日経、神奈川、毎日、読売、朝日、産経の順。
⑧実践報告書の作成と県内全校配布
2010年度実践報告書は、7月初旬の完成予定で1,900部を製作中。県、横浜・川崎市の各教育委員会の協力により、県内公立小、中、高校全校(約1,600校)に配布するほか、全国の協議会、県内の教育委員会などに配布する。
⑨地域NIEへの取り組み
学校外でのNIEとして、家庭内でのNIE(ファミリーフォーカス)に加え、地域で取り組むNIEの展開を検討し、実施に向けた準備を整える。想定地域は横須賀を予定。
【2010年度 県推進協事業報告】
◆新規実践校9校を推薦
実践校を各方面から募集し、新規9校を推薦。継続10校を加えた19校が日本新聞教育文化財団のNIE委員会で認定された。内訳は小学校10、中学校2、高校4、中学・高校2、特別支援1。
【小学校】茅ケ崎市立小和田小、逗子市立逗子小、横浜市立別所小、※横須賀市立鶴久保小学校、※藤沢市立明治小学校、※横浜市立白幡小学校、※横浜市立戸部小学校、※横浜市立平沼小学校、※横浜市立並木中央小学校、※横浜市立千秀小学校、
【中学校】寒川町立寒川東中、※横浜市立鶴見中学校
【高校】川崎市立高津高、横浜サイエンスフロンティア高、横須賀学院高、※県立愛川高校
【中学・高校】カリタス女子、公文国際学園
【特別支援】横須賀市立ろう学校
(※は新規実践校)
◆県NIE推進協議会総会の開催
6月5日に神奈川新聞社で開かれ、実践教諭、報道各社の総・支局長ら25人が出席。総会では役員の選任が行われ、2009年度の事業報告、決算が了承された。その後、2010年度の事業計画案、予算案が審議され、決定した。また、特別アドバイザーの有馬進一(藤沢市立大庭中学校)教諭、臼井淑子(横須賀市立田戸小学校)教諭、中根淳一(県立横須賀高校)教諭による鼎談が行われた。
◆実践報告書2,000部を発刊
「2009年度実践報告書」を7月に2,000部発刊し、県・横浜市・川崎市教育委員会の協力で県内の全小・中・高校(1,700校)や関係機関に配布した。
◆第15回NIE全国大会に参加
7月29、30日に熊本市で開催。県推進協から14人が参加。大会では落語家の桂歌丸さんが記念講演し、笑いのある人生の大切さをユーモアたっぷりに説いた。その後メンバーは各分科会に参加した。
◆神奈川NIEミーティング(学習会)の開催
NIEアドバイザーを中心に、県NIE推進協議会の構成員がNIEの教材研究や実践、理論を通し交流し、県内NIEの深化と拡充を図ることを目的とした学習会を昨年度から引き続き開催した。今年度は予定通りに偶数月の第3金曜日、午後6時半からNIE全国センター会議室で行った。
◆「新規校ガイダンス」を開催
8月21日に神奈川新聞社10階会議室で開かれた。新規実践校から7人の教諭が参加し、NIEアドバイザー、特別アドバイザーから実践に際しての注意点などのアドバイスを受けた。
◆公開セミナーの開催
11月13日、横浜情報文化センターで「NIE公開セミナー」を開催。NIEに関心を持つ約30人が参加。第1部では「アジアの中の日本」のテーマで遠藤一弥共同通信社横浜支局長が講演した。第2部では「活用的な学力をはぐくむ新聞活用」と題して教育現場での実例を報告した。川崎市立川崎中学校・黒尾敏教頭、横浜市教育委員会・梅田比奈子指導主事、県立有馬高校・望月浩明教諭の3氏がパネリストを勤めた。
■2011年度神奈川県NIE推進協議会の役員・構成員 (敬称略)
<顧問>
横浜国立大学名誉教授 影山清四郎
<会長>
横浜国立大学教育人間科学部教授 髙木まさき
<副会長>6人
県高等学校校長会副会長 荒木 高司
(県立小田原高校校長)
市立高等学校校長会(横浜、川崎、横須賀) 栗原 峰夫
(横浜サイエンスフロンティア高校校長代理)
公立中学校教育研究会会長 佐藤 有功
(横須賀市立衣笠中学校校長)
公立小学校校長会広報部長 本間 俊
(川崎市立はるひ野小学校校長)
私立中学高等学校協会国語科専門委員会委員長 千葉 拓司
(横浜雙葉中学高校校長)
私立小学校協会理事 河端 秀朗
(カリタス小学校校長)
<幹事>11人 (うち副会長の6人が兼務)
県教育委員会子ども教育支援課長 笠原 陽子
県教育委員会高校教育指導課・指導主事 中島 良光
横浜市教育委員会指導企画課・指導主事 小嶋 貴之
日本新聞協会横浜事務所長 西野 文章
県立有馬高校教諭 望月 浩明
新聞社1社持ち回り
4~6月毎日、7~9月読売、10~12月朝日、1~3月産経
<監査>2人
東京新聞 横浜支局長 吉原 康和
日本経済新聞社 横浜支局長 中畑 孝雄
<事務局>1人
神奈川新聞社NIE推進委員会事務局長 瀧村 誠
(読者広報センター長)
<NIEアドバイザー>5人
横浜市教育委員会指導主事 梅田比奈子
横浜市立本町小学校教諭 深沢 恵子
川崎市立川崎中学校教頭 黒尾 敏
相模原市立鵜野森中学校教諭 村山 正子
県立有馬高等学校教諭 望月 浩明
<特別NIEアドバイザー>3人
横須賀市立田戸小学校教諭 臼井 淑子
藤沢市立大庭中学校教諭 有馬 進一
県立横須賀高等学校教諭 中根 淳一
<実践継続校>8校
小学校(6校)
横須賀市立鶴久保小学校
藤沢市立明治小学校
横浜市立白幡小学校
横浜市立戸部小学校
横浜市立並木中央小学校
横浜市立千秀小学校
中学校(1校)
横浜市立鶴見中学校
高等学校(1校)
県立愛川高校
<新規実践校>12校
小学校(10校)
川崎市立南菅小学校
横浜市立子安小学校
横浜市立日下小学校
横須賀市立小原台小学校
平塚市立横内小学校
平塚市立花水小学校
逗子市立沼間小学校
横浜市立稲荷台小学校
横浜市立保土ヶ谷小学校
横浜市立霧が丘小中学校
中学校(2校)
鎌倉市立玉縄中学校
横浜市立すすき野中学校
※新規実践校は7月度の博物館・NIE委員会で正式決定
<報道各社>9社
朝日新聞社 横浜総局長 長 典俊
神奈川新聞社 統合編集局長 熊坂 哲司
産経新聞社 横浜総局長 風間 正人
東京新聞 横浜支局長 吉原 康和
日本経済新聞社 横浜支局長 中畑 孝雄
毎日新聞社 横浜支局長 山本 修司
読売新聞社 横浜支局長 佐伯 和宏
共同通信社 横浜支局長 遠藤 一弥
時事通信社 横浜総局長 泉 正樹

