‘神奈川NIEミーティング’ カテゴリーのアーカイブ

第11回 神奈川NIEミーティング報告

2011年5月6日 金曜日

第11回神奈川NIEミーティングが4月15日、横浜市中区のNIE全国センターでNIE実践教師、新聞関係者等15人が集まり、高木まさき・横浜国大教授(県NIE推進協議会会長)の司会で開かれた。今年度最初のミーティングは、東日本大震災直後ということで、赤池幹氏(日本新聞協会・NIEコーディネーター)による各社震災報道の分析を聞く機会とした。

赤池氏分析要旨 今回の大震災では、各新聞1面に2段高・横見出し(べた黒・白抜き、ハチマキ見出し)がほぼ1週間続いたことが印象的である。それだけ大変な災害であることを新聞は伝えているし、現実に歴史的な災害である。

12日=テレビ面が中面に行き、しかも空白が多くある。広告の無い紙面。ページ数の減少。という異例の事態。大事件大事故の見出しは普通一致するが、今回はバラバラである。つまり、この震災をどう捉えるかが各紙違ったのである。東北で、東日本で、西日本で・・・地域によって異なる。福島原発を1面に取り上げたかで、原発事故への各社の価値判断が見える。整理部の判断は編集・取材部門のアピール度で左右される。

12日夕刊=各社バラバラの見出しに各社の混乱が見える。この時点で犠牲者数(死者数)を出す判断はどうであったか。今となっては、数字は意味がないと言える。

13日=足並みが揃ってくる。被災地から原発にシフトしてくる。原発により、被災地取材ができなくなる。だれを信用したらよいか。アメリカの方が情報を得ているということもある。テレビはその日その日のことを伝えるが、それは疑心暗鬼を生む結果ともなった。河北新報はシステムダウンしても新聞発行し、避難所に配った。新聞社は号数を途切れさせないこと、つまり歴史に拘泥する。

多くの人が元の場所に戻りたいと言っている。困っている人に私たちができることを話し合うことが大切である。阪神淡路大震災でこう教えた、ということが今生かされるのではないか。風評被害や埋立地の液状化、教科書題材の検討など、今回の震災の影響・課題は大きい。実際これからのことがよく分かっていない。6月末をめどに『震災報道をどう授業するか』というガイドブックを作成し、7月に行われる青森での全国大会へもっていきたいと考えている。

今回は、現時点での震災報道分析を聞く機会を得たが、今後も震災報道が継続していくことも考えると、「震災報道をどのように授業するか」が今年度の課題となることが予想される。今後、取り組みを報告しあうことを一同確認した。

次回のミーティングは6月17日(金)午後6時半からNIE全国センターで。NIEに関心をもたれた先生方もお気軽に参加を!

第10回 神奈川NIEミーティング報告

2011年2月21日 月曜日

第10回神奈川NIEミーティングが2月18日、横浜市中区のNIE全国センターでNIE実践教師、新聞関係者等23人が集まり、影山清四郎・横浜国大名誉教授(同ミーティング顧問)の司会で開かれた。今年度最後のミーティングということで、今年度の実践校から報告を聞き、交流した。

藤井伸明・横須賀市立鶴久保小学校教諭は、網代正之・同教諭とともに6年生で実践した『新聞に親しもう』を報告した。家庭での購読率1割ほどの学級で、新聞の書き方や内容に抵抗感のある子どもたちだったが、学習で新聞を活用することによって新聞を身近に感じ、継続的に読んだり書き写したりし、自分の意見を発表するようになってきたという。特に、効果的だったのは、朝活動での「新聞記事の書き写し」。週一度の取り組みに向けて一週間記事を探し、時間内で書けるところまで書き写し意見を書くという活動であったが、書く力と読む力が向上したという。現在は賛成か反対かの意見をもつことを意識して指導しているとのこと。参加者の質問もここに集中した。年間を通し、新聞になじませる一方、「その時代を取材しよう」(社会)「ニュースを読み解こう」(国語)「マザーテレサの心をさがそう」(道徳)など教科・領域の中に新聞活用を取り入れて、地道に実践している。

小林真・横浜市立並木中央小教諭の勤務校は、横浜市授業力向上推進校(国語)である。そこで、『確かな言葉の力を身に付けるための新聞の効果的な活用法』をテーマに5年生国語科で新聞活用を展開したという。「大発見!比べて分かった新聞の読み方」「子浦での体験を記事にしよう」「投書に挑戦!日本の食糧危機を自分の生活に結びつけて考え、投書を書こう」「パクさんの意見に対して・・・。『あらたにす』に投稿しよう」「みんなで読もう新聞コンクールに挑戦!」といった単元を設定し、発信型のNIEを進めている。「あらたにす」への投稿は掲載され、子どもたちの意欲をさらに増したことが想像された。記者体験として架空の事件を報道する記事づくりは、参加者からの関心を集めた。高木まさき・横浜国大教授からは、新聞記事から取材要素を取り出してリライトした中学校実践も披露された。

今回は、専門学校関係者や図書館司書の参加もあり、NIEの広がりを感じる会となった。また、保護者の反応を問う質問が双方に出された。

次回のミーティングは4月15日(金)午後6時半からNIE全国センターで。NIEに関心をもたれた先生方もお気軽に参加を!

第9回神奈川ミーティング報告

2011年1月6日 木曜日

横浜市中区のNIE全国センターで12月17日に開かれた第9回神奈川NIEミーティングは、直前に新聞各紙がほとんど一面トップで報じた2009年PISA調査をめぐって教師、新聞関係者約20人の間で活発な意見交換が行われた。ミーティングは影山清四郎・横浜国大名誉教授(同ミーティング顧問)の司会で開かれた。
日本の子供たちの読解力の改善、成績上位を占めた上海、シンガポール、韓国などアジア諸国・地域の背景などについての新聞の論調や参加者の意見が示される一方、成績最低位層が13.6%と飛び抜けて高い日本の子供たちの実情こそ問題とする指摘が行われ、日本の教育問題の複雑さを浮き彫りにした。
このあと、有馬進一・藤沢市立大庭中学校教諭(県NIE特別アドバイザー)が、「平成22年度消費者教育教員研修」で小中高教員50数人を対象に行った新聞を活用した消費者教育について報告した。有馬教諭は中学3年社会科の経済単元を想定した「広告と消費行動」の学習法を提案。商品や企業の新聞広告から経済のリアルな姿を認識する(情報の取り出し)、写真やキャッチコピーが示すメッセージの吟味(情報の読み解き)経済活動との関わりを考える(総合的な表現)のワークショップを行った。NIEのベテラン教諭の多彩で周到な授業提案に参加者が目を見張った様子が、「NIEはハードルが高いと思っていたが、今日の講座でやってみようと思った」「今までと違った新聞の見方、読み方がとても勉強になった」「広告から社会に目を開くというのは、とても面白いと思った」などの研修アンケートに書かれていた。ミーティングに参加した教師も、有馬教諭の授業案を「すぐに使える」と持ち帰った。
次回のミーティングは2月18日(金)午後6時半からNIE全国センターで。NIEに初めて触れる教師も大歓迎です。

第8回神奈川ミーティング報告

2010年10月21日 木曜日

第8回神奈川NIEミーティングが10月15日、横浜市中区のNIE全国センターでNIE実践教師、新聞関係者約20人が集まって、影山清四郎・横浜国大名誉教授(同ミーティング顧問)の司会で開かれた。
村山正子・相模原市立鵜野森中教諭(NIEアドバイザー)が「新聞と学校図書館」をテーマに、これまでの活動報告と学校図書館とNIEの連携について提案した。司書教諭でもある村山教諭は、図書館が読書センターの機能だけでなく、学習情報センターとしての役割を果たせば教育効果があがることを実例で紹介。新聞を活用する意義を、複数の新聞で社会の動きを知る、色々な視点で比較できることにあると語り、その際に新聞の切り抜きやスクラップなどを行う司書の役割の大きさを強調した。また、「オーストラリアでは学校図書館はノイジーな場所と考えている」という視察体験を披露し、静かに本を読む場所と固定的にとらえる日本との違いを紹介した。
佐伯和宏・読売新聞横浜支局長が、NIEへの取り組みや各新聞社の紙面の特徴などについて話した。2人の内容豊富な報告に参加者は熱心に聞き入り、活発な質疑が行われた。
次回のミーティングは12月17日(金)午後6時半からNIE全国センターで。

第7回神奈川ミーティング報告

2010年9月28日 火曜日

「子どもたちに、ときめきと達成感のある授業を」。横浜市中区のNIE全国センターで9月17日行われた第7回神奈川NIEミーティングで、神奈川県愛川高校の星野智也教諭は工夫に満ちたNIEの実践を報告した。ミーティングには千葉県を含む初参加の教師や新聞記者らが参加し熱心な討議が行われた。
星野教諭は、生徒たちをなんとか学習に集中させようと新聞に着目してNIEに取り組んでいる。授業では記事や社説、コラムなどから生徒の関心・興味を引くタイムリーな文章を選んで、漢字の読みや感想・意見、見出し付けなどの設問を作成して生徒に提供している。小惑星探査機「はやぶさ」の帰還、W杯サッカーの本田選手の活躍、竹島問題で緊張する日韓関係などの記事は、生徒たちが日ごろ見聞きしているだけに、教科書の授業では見られない関心と反応を示すという。時には若者に人気のポップスなどを材料にして、生き方を考えさせたりしている。「社会のリアルタイムな事象で問題意識を刺激して授業への意欲を生み出したい。やればできるという経験や気持ちを培うのに新聞活用は効果的だ」とNIEの手応えを語った。星野教諭の情熱的な取り組みに参加者から感嘆の声があがった。
このあと、神奈川県立有馬高校の望月浩明教諭が7月に熊本市で行われたNIE全国大会について報告した。
次回のミーティングは10月15(金)午後6時半からNIE全国センターで。